コメサンタの挑戦 田植え・稲刈りがつなぐ都市と田舎 / 吉岡康仁さん(三原市大和町)

米づくりを楽しむ、 つながりを耕す
田植え・稲刈りから始まる
地域コミュニティのかたち
広島県三原市大和町の田んぼを舞台に、春の田植えと秋の稲刈りを中心とした体験型イベントを実施しています。5 月には、広島市立大学や広島三育学院の学生を含む約 70 名が参加し、参加者全員で苗を植える体験を通じて、米づくりの楽しさを共有し、交流を深めました。
9 月には、稲刈りとあわせて「コメサンタフェス」を開催しています。このイベントでは、稲刈り体験に加えて、音楽演奏や地域の出店など、地元の文化を取り入れたプログラムを展開し、農業の価値を体感できるとともに、地域とのつながりを実感できる場となっています。これらの活動は、農業や地域文化を次の世代へ継承することを目的に、2020 年から継続して実施しています。2024 年のフェスには約 300 名に参加していただきました。
\ 活動理由 /
農地を守る、 その先にある未来のために
私は代々続く米農家に生まれ、自然とその仕事を引き継ぎました。しかし、近年は農業をやめる人が身近でも増えており、その背景には、それぞれに事情があります。そうした中で、このまま農家が減り続けたら、次の世代の子どもたちはどうなるのかという不安が強くなり、「このままではいけない」と思うようになりました。農家を守るには、農地を守ることが必要であり、そのためには農業の価値を支えるお客様の存在が欠かせません。
そこで私は、農業の「供給する側」としての営みを、より多くの人に届くかたちに変えるため、農業体験をエンターテインメントとして提供することを選びました。この活動を始めたのは、農家に生まれ育った一人として、農地を守りたいという思いがあったからです。
\ 継続するための工夫 /
クラウドファンディングを活用した資金作り・プロモーション
運営費はクラウドファンディングによって調達し、参加費を抑えることで、誰もが気軽に農業に触れられる機会を提供しています。また、本企画の情報発信にも力を入れており、活動の様子や想いを広く伝えることで、地域や農業に関心を持つ関係者を少しずつ増やしていくことを心がけています。
\ 今後の展望 /
農業の担い手をつくりたい!
地域コミュニティの認知度を高め、コメサンタとしての活動の価値を高めることで、県内外の個人や企業とのつながりを広げていきます。そうした取り組みを通じて、農業に関心を持ち、将来の担い手となる人を増やしていくことを目指しています。
吉岡さんとともに活動する人々 (関係人口)
広島市立大学(所在地:広島県広島市安佐南区) / 2022年より
大和町に月に一度交流に訪れ、草刈りなどの作業に協力しています。
広島三育学院(広島県三原市大和町) / 2024 年 2 月より
①『お米農家としての講義』、②『アロマキャンドルづくり(フェスの装飾に活用)』、③『田植え体験』を通して、地域や農家の仕事を伝える授業を実施しています。
コメサンタ団(オンラインコミュニティで繋がる県内外の有志)
広島県三原市大和町を盛り上げるメンバーで、イベントの企画・運営を支援してくれています。